色の表現におけるRGBとCMYKの違いについて

RGB、CMYKという言葉をご存知でしょうか?
PhotoshopやIllustratorを日常的にお使いの方には馴染みのある言葉ですが、聞いたことが無いという方も多いと思います。
RGBとCMYKは、どちらも色の表現法の一種です。
簡単に言うとRGBはディスプレイ用、CMYKは印刷用の表現法で、ポスター印刷はCMYKで表現します。

RGBとは

光の三原色(RGB)

RGBはそれぞれレッド(Red)、グリーン(Green)、ブルー(Blue)の頭文字をとったもので、この3色は「光の三原色」と呼ばれており、
ブラウン管、液晶モニター等で色を表現する為の手法で、上記3色を組み合わせて全ての色を表現しています。
原色ひとつにつき256段階の濃さを設定できるため、256の3乗の16,777,216通りの色を表現する事が出来ます。

光は混ぜると明るくなっていきますので、三原色を全て混ぜた色は真っ白となります。
ブラウン管や液晶パネルは電源を切ると画面が真っ黒ですよね。
「色が無ければ黒、全部の色があると白」というのがRGBです。

ディスプレイ用の規格ではありますが、同じ数値の色が全ての方に同じように見えるわけではありません。
ご覧になる環境(WindowsとMacの違いやモニターの違いなど)によって実際に見える色が異なります。

LEDのRGB対応について

液晶ディスプレイでは冷陰極管という光源が主流ですが、最近ではLED(発光ダイオード)のものも出てきています。
ディスプレイでフルカラーを表現するには光の三原色であるRGB(赤・緑・青)の原色が必要ですが、一昔前は赤色しか実用化されておらず、青色や緑色のLEDは質の低いものだったためフルカラーに対応できませんでした。

今では高輝度の青色・緑色のLEDが開発されたことによりフルカラーの表現が可能になりました。
青色LEDと言えば日本人研究者(赤崎勇さん、天野浩さん、中村修二さん)らにより発明され、ノーベル物理学賞を受賞したことでも有名ですよね。

ちなみに、赤崎さんらにより青色LEDから青色レーザーが発明され、従来使用していた赤色よりも記憶容量が大幅に増えた記録メディアが開発されたのはご存知でしょうか?
それがブルーレイディスクです。

CMYKとは

色の三原色(CMY)+K

CMYKは「色の三原色」と呼ばれるシアン(Cyan)、マゼンタ(Magenta)、イエロー(Yellow)の3色にブラック(Black)を加えたものです。
インクで色での表現に使われ、プリンターは家庭用、業務用を問わず基本的にCMYKで色を表現しています。

CMYKそれぞれにつき0%~100%で指定できます。
理論上は101の4乗で104,060,401色を表現可能、さらに小数点以下の数値も設定できるためRGBよりも色の表現が豊か…のように見えますが、それは数字だけの話。
実際にインクでそのまでの色の差は表現できません。
使用しているインクなどにもよりますので「CMYKで何色まで表現できる」というような言い方はできませんが、実際には「RGBに比べて表現できる色が少ない」と考えていただいて結構です。

全ての色を混ぜると白になるRGBとは対照的に、CMYKでは全ての色を混ぜると黒になります。
印刷用紙が白いのはこの為で、CMYKで「白」と言えば「印刷されていない部分」です。
「色が無ければ白、全部の色があると黒」という考え方は、RGBとはまるで逆であることがわかります。
※透明なメディアに白を印刷するための「白インク」という物も存在しますが、特殊な印刷の部類です。

CMYKで同じ色を指定した場合でも、使用するプリンター・インク・印刷する用紙等によって出力されたものの色は異なりますので、必ずどんな環境でも同じ色で印刷できるというわけではありません。

「K」だけ頭文字じゃない?

CMYKの「K」だけブラック(BLACK)って…なぜ頭文字じゃないのか気になりませんか?
実は、「K」は現在は実質黒とほぼ同義ですので上記ではそのように紹介していますが語源としては誤りで、本来ブラックではなくキープレート(画像の輪郭などを表現するために用いられた印刷版)の頭文字からとったものです。
日本語の黒(KURO)の頭文字、という説もありますがこちらも誤りです。

実際にデータを作成いただく際にはKは黒との認識でほぼ問題ありません。
ちなみに、家庭用プリンターなどの黒インクは「K」ではなく「BK」表記が一般的です。

ポスター印刷ではRGBとCMYKどちらが良いの?

冒頭でもご説明しました通り、ポスター印刷はCMYKで印刷されますので一般的にはCMYKでの作成を推奨しており、RGBで作成した場合は印刷会社さんによっては受け付けてもらえなかったりデータ作成時に想定した色とポスターでの実際の仕上がりの色が異なるといったことがあり注意が必要です。

Office 標準の色

データ作成ソフトであるPowerPointなどのOffice系のソフトでは基本的にはRGBでの作成となります(CMYKでも作成可能)。RGB作成した際、Office系ソフトで「標準の色」となっているものは彩度が高すぎるためCMYKでは再現が困難ですので上記のようなRGB印刷に対応していない印刷会社さんでは注意が必要です。

下記はパワーポイントで作成したRGBデータをCMYKに変換した際のモニター上での色の変化です。
グラフ部分は上に挙げた「標準の色」を使用していますが、 全体的に彩度が低くなっているのがわかると思います。

これを実際に当店のポスター印刷用のプリンターで印刷したものが下の写真です。
色合いはCMYKの状態で見ているものに近く、RGBのデータほど彩度が高くないことがわかります。

RGBで作成したデータを印刷した場合はどのような仕上がりになるのでしょうか?
実際に当店でRGBデータの印刷を行いCMYK印刷との違いを検証してみましたので下記の記事をご参考ください。

知識の泉~トリビア~ 実証編

ポスター印刷ソクプリではRGB印刷に対応しています。

上記でもご説明しましたがRGB印刷に対応していない印刷会社さんにRGBデータを入稿した場合は想定していたものと違った仕上がりになる恐れがあります。しかし、ポスター印刷ソクプリでは新開発の鮮やかな色合いをもつビビットカラーのインクを採用したプリンターの使用によってRGB印刷に対応しておりますので、RGBデータでもお客様のご希望のお仕上がりに近いポスター印刷が可能となっておりますので是非ご利用くださいませ。

  • ※当店で使用しているプリンターは通常のCMYKにライトシアン、ライトマゼンタ、グレー、ライトグレーの4つを加えた8色を使用しており、通常の4色よりもさらに色の表現が豊富になっています。
  • ※当店では特色はご利用いただけません。使用された場合はCMYKでの近い色に置換されます。場合によっては何も印刷されない事がございますのでご注意ください。

色については奥が深いですね・・・。
ポスター印刷ソクプリではRGB、CMYKや色空間についての検証やコラムを掲載しています。
もう少し詳しく知りたいという方は下記の記事も合わせてお読みください。

知識の泉~トリビア~ 実証編

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