画面解像度?印刷解像度?ポスター印刷に関する解像度について

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皆様は「解像度」という言葉をご存知でしょうか?
なんとなく耳にしたことがあるけど意味はよくわかっていない、という方も多いのではないでしょうか。
「解像度」と言えば、デジカメで撮影した写真やPhotoshopデータ、パソコン/テレビ等のディスプレイ、プリンター、スキャナー等で使用される数値ですが、それぞれどういう意味で使われているかは若干異なります。

  • デジカメ
  • モニター
  • プリンター
  • Photoshop等の画像データ

モニター等は1920px × 1080pxのような数値を解像度と表現するのでややこしいのですが、本記事では印刷に関わる画像データ[※1]の解像度(dpi)について解説します。

dpi、ppiについて

画像データにおける解像度は単位を"dpi(ドットパーインチ)"で表わされます。
これは1インチ(約2.54cm)内にある点の密度を表記したものです。
例えば、300dpiの画像なら「1インチ内を300個の点(ドット)で表現している画像」という事になります。
dpiの値が大きくなれば、1インチ内の点の数が多くなるので、より精密な画像という事になります。

Photoshopで解像度を扱う場合、「pixel/inch」という単位で表記されています。
これは「ppi(ピクセルパーインチ)」の事で、「1インチ内にいくつのピクセルがあるか」という数値です。
一部のディスプレイ[※2]を除き、1ドット=1ピクセルですので、基本的にdpiとppiは同じと考えて問題ありません。

photoshop
Photoshopの画面解像度ウィンドウ

用語解説

  • ピクセル(画素)
    単位:px
    コンピュータで画像を扱う際の色情報を持つ最小単位。
    ピクセルはそれのみでは実寸(インチやmm)で表現する事はできません。
    ppiによって、実寸と結び付けられます。
  • ドット(点)
    ただの「点」以上の意味は無く、単位やサイズの概念もありません。
    コンピュータ上ではピクセルと同じ意味になります。(例外[※2]もありますが、ここでは割愛します。)
    dpiによって実寸と結び付けられます。

「解像度が高い」とはどういう事?

一般的には「解像度が高い画像」と言うと何となく「綺麗な画像」という風に解釈されているのではないでしょうか。
実際には、「解像度が高い画像」とは「情報量が凝縮され、鮮明に印刷できる画像」の事です。
実寸(mm)が同じ画像で解像度が異なる場合は、解像度(dpi)が高いほどドット(点)が多く滑らかな画像だと言えます。

  • dpi100
  • dpi50

「印刷しない場合は解像度(dpi)は関係ないの?」と意外に思う方も居ると思います。
その通り、ディスプレイ上では画像ピクセル数でのみサイズや見た目が決まりますので、解像度(dpi)がいくつであっても、同じピクセル数の画像なら画面上の違いはありません。

解像度(dpi)が関係してくるのは印刷した際と覚えてください。
ピクセル数が同じ場合は、解像度(dpi)が高い画像は実寸(mm)が小さくなります。
例えば1000px×1000pxの画像を拡大/縮小せずに印刷すると、72dpiなら353mm×353mmに、300dpiなら85mm×85mmというサイズになります。

意外に思うかもしれませんが、解像度(dpi)が高い画像は「大きく印刷できる画像」ではありません。
解像度(dpi)が高ければ高いほど密度が高くギュッと凝縮しているような状態ですので、同じピクセル数の場合には印刷サイズは小さくなります。
同じお米の数でおにぎりをふんわり握る場合と固く握る場合の違いといえばイメージしやすいのではないでしょうか。

大判印刷に適切な解像度(dpi)は?

当店で印刷する場合、A1までの大きさのデータは200~300dpi、それ以上は120dpi~200dpiが適切な解像度と案内しています。(実寸(mm)での制作の場合)
先ほどは「あるピクセル数のデータの解像度による実寸(mm)」を紹介しましたが、今回は逆算して「目的の実寸(mm)で印刷するには何ピクセル必要か」を見てみましょう。

A1サイズ(841mm×594mm)を300dpiで印刷する場合は9933px×7016px
B0サイズ(1456mm×1030mm)を200dpiで印刷する場合は11465px×8110px

という数字になります。

解像度(dpi)の計算方法

1インチは25.4mmですので、mmをインチに直し、インチ数に解像度(dpi)の数値を掛ければ必要なピクセル数が分かりますので、下記の計算式になります。

目的の実寸(mm)÷25.4×解像度(dpi) = 必要なピクセル数

お客様によっては、「画像のピクセル数はわかるが解像度(dpi)や実寸がわからない」という方がいらっしゃいますが、ピクセル数によってある程度判断する事が出来、上記のように「9933px×7016px以上あれば、A1サイズで印刷するには十分」という風に考えられます。

デジカメのスペックとして「1200万画素」等の画素数と呼ばれる数値があるのは皆さまご存知だと思います。
画素数とは「最大で何ピクセルの写真が撮れます」という意味で、3:4の縦横比の場合、1200万画素だと4032px×3024pxという写真が撮影できる事になります。
(4032×3024=12192768(約1200万))

この写真を300dpiで印刷すると341mm×256mmとなり、B4サイズ(364mm×257mm)に近いサイズです。
このピクセル数の写真をA1(横841mm+塗り足し6mmで847mm×635mm)まで拡大すれば、121dpi程度になります。

example

ピクセル数と目的の実寸(mm)が決まっていれば、解像度(dpi)は自然に決まるわけですね。

上記のようなデジカメの「画素数」の事を指して「解像度」と呼ぶ方がいますが、ここまで読んだ方にはお分かりのように「解像度」とはある長さに対する点の密度の事ですので、画素数=解像度という考え方は誤用です。
撮影した写真をどういうサイズで印刷するか、という場合に解像度(dpi)が関わって来ます。

解像度(dpi)が低いと粗くなる?

上記でA1サイズ時の推奨を200~300dpiと紹介しましたが、それでは121pdiでは印刷に耐えられないほど低いのでしょうか?
あくまで主観ではありますが、そこまででもありません。

同じ画像を異なる解像度(dpi)で出力して見比べたものを、下記ページで紹介しています。
高品質でポスター印刷するには(解像度編)

至近距離で見ると多少違いは見られますが、72dpiでもすこし離れて見ると極度に粗いというわけではないのがわかると思います。
大判ポスターは少し離れて見ることを想定しているので、この程度ならあまり問題ないかなとは思います。

ご入稿いただいたデータに関して「画像の解像度は大丈夫ですか?」という質問をいただく事があります。
実はこれは非常に答えにくい質問なんですよね…。
ご心配なのはよくわかるのですが、お客様によって「どの程度粗いものを許容されるか」という基準がかなり異なる為、画像荒れに対して当店から「大丈夫です」とも「これはダメですね」とも案内は出来ないんです。
我々が「大丈夫ですよ」と案内したものがお客様にとって「粗いなぁ…」と思う仕上がりだったとすれば、トラブルに繋がる恐れもあるので、そのあたりは何卒ご容赦ください。

解像度(dpi)が高すぎると出力できない?

解像度(dpi)は高ければ高いほどいいというわけではなく、実際には300dpi以上の解像度(dpi)は人の目にはほぼ判別できません。
大判ポスターはある程度離れて見る事を想定していますので、大きくなればなるほど高解像度は必要なくなります。
また、解像度(dpi)が過剰に高いデータはパソコンやプリンターが処理しきれずにエラーになることもあります。
エラーにより出力できなかった場合はお客様にデータ修正をお願いする場合があり納期に影響いたしますので、出来るだけ弊社の推奨を守っていただく事をお願いしています。

印刷のサイズに関する単位はmmなのに、なぜ解像度(dpi)はインチなのでしょうか?
正直ややこしすぎますよね…。

なぜインチが採用されているのか調べてもこれといった情報は見当たらなかったのですが、単純にアメリカが強いという事なのだと思います。
インチは「ヤード・ポンド法」と呼ばれる長さの規格で、今はアメリカ・リベリア・ミャンマーでしか使用されていません。
リベリア・ミャンマーはメートル法への移行を進めていますので、実質的にはアメリカだけの単位です。
コンピュータの世界における2大企業のマイクロソフトとアップルはどちらもアメリカの企業ですので、アメリカの単位が一般的になったという事だと思います。

america

とは言えインチだけでなくcmでの解像度指定をPhotoshopでもちゃんと用意されています。
画面解像度のウィンドウを出すと「pixel/inch」だけではなく「pixel/cm」という単位があるのですが、実際に「pixel/cm」を利用しているデザイナーは居ません。(多分)
インチを使うのは、慣習という他無いんじゃないでしょうか。
一度だけ300pixel/cmというデータ入稿が来たことがあり、始めはcmで指定されているのに気づかず、「何故このサイズの300dpiでこんなに重いのか」と焦ったことがあります。

  • ※1 Illustratorデータ等、ベクターデータという解像度の概念を持たないデータもあります。ここではビットマップ画像の事として紹介します。
  • ※2 今ではRetinaディスプレイという、1ピクセルを2ドット×2ドットで表現するディスプレイが登場しています。